訪問サポーターの活動

-「訪問サポーター」が届ける不登校・ひきこもり支援-

目次

  1. 「訪問サポーター」とは
  2. 「事例検討会」について
  3. 「MCRスタッフ」になるために

① 「訪問サポーター」とは

 MCRでは、ご家庭を訪問するスタッフのことを「訪問サポーター(略称:ST)」と呼んでいます。親が病院やカウンセリングに行って子どもの不登校・ひきこもりの相談をしても「本人が来ないとどうにもできない」と言われてしまうことが少なくありません。 そのため、長期化した不登校・ひきこもりを改善していくためには、「訪問サポーター」のような訪問支援が必要になってきます。最近ではこうした訪問支援について「アウトリーチ」と呼ばれることもあります。相談機関に行くことができない本人の家庭を訪れて支援を届けられることが、こうした訪問支援の最大の特徴です。

 さて、「実際にどのようにST活動を行っていくか」ということについては、各ケースでご家族と担当コンサルタントが話し合いをし、ご本人に合う形で支援できるよう丁寧に決めています。

 実際に行われる活動は、一緒に遊んだり、話をしたり、外出したり、勉強したり、悩みを聞いたりと様々です。このように 訪問サポーターの役割もご家庭により異なりますが、不登校やひきこもり状態にあり、社会との接点に何らかの難しさを抱えているご本人に対して支援をしていきます。

 一方で、各支援事例に共通していることは、訪問サポーター活動で1対1のコミュニケーションをとったり、何かに一緒に取り組んだりすることを通じて、問題解決を助けたり、個々の成長や発達を支える役割があります。さらに、こうしたかかわりの中から子ども本人に生じる様々な変化や成長をもとに、ご家族と担当コンサルタントが家族カウンセリングを進めていきます。このように、家族支援を並行していくことで、訪問支援の効果を最大化していくことができるのが、MCRが行う支援の最大の特徴です。

② 事例検討会について

 MCRは、各支部毎月1回定例会を開き、スタッフ全員で全てのケースについて検討会議を行っております。この定例会にて、各自のST活動事例を他のスタッフに相談したり、アイデアをもらったりすることができます。また、定例会以外でも、担当コンサルタントに随時相談することが可能です。訪問サポーターが1人で活動の悩みを抱えることなく、MCR全体で支援活動をサポートしております。

 訪問サポーターがご本人に直接かかわり、そして家族コンサルタントがご家族と話し合い、さらにスタッフがケース全体を定例会で検討することで一つのチームとなってご家庭への支援を行っていく「チーム支援」がMCRの特徴です。

③「MCRスタッフ」になるためには

 訪問サポーターは対人援助の専門職に就いている社会人、心理学、教育学、福祉学を専攻する大学生・大学院生、一般の社会人などが主に活動しています。また、臨床心理士資格・公認心理師を有するカウンセラーも訪問サポーターとして活動にあたっています。札幌、東京、神奈川、千葉、埼玉の各地域で活躍しています。

 MCRでは不登校・ひきこもり支援に対する関心と熱意をもつボランティアスタッフが活動にあたっています。お子さんと一緒にスタッフ自身も成長することができます。

 MCRでは、新規スタッフ研修として毎年春と秋の年間2回程度、‟訪問サポーター養成講座”を開催しています。研修の主な内容は、「MCRのシステムと家族支援「不登校・ひきこもりの支援」「訪問支援の実際」の3つです。この研修を受けていただき、MCRスタッフとして活動していく資格が与えられます。

 また、スタッフとして登録後も、毎月の定例会での事例検討会への参加やスキルアップ講座、年一回のスタッフ研修合宿、有志スタッフによる研究会などの場を通して、継続的に研修(各支部の研修、合宿研修、支部合同研修、外部講師による研修等)を行い、支援技術を高めていきます。