このたびMCRのスーパーヴァイザーを務めることになりました紫藤クリニックの紫藤昌彦(シドウマサヒコ)です。
私は東京の高田馬場で精神科診療所を開業しておりますが、勤務医の頃は病院での精神科臨床に加え、海外の大使館や都内の保健所に勤務した経験があります。保健所に勤務していた頃、私は保健師さんたちが精神の困難ケースに四苦八苦している姿を見ていました。保健所の仕事は隙間産業と呼ばれていて、医療に繋がりにくい人たちをたくさん抱えていたのです。そして、将来自分が開業したら、隙間を埋めていくお手伝いをしたいと考えていました。
開業して齋藤暢一朗先生や深谷篤史先生と知り合ってMCRの存在を知るようになったのですが、MCRも保健所と同様に隙間にいる人たちに救いの手を差し伸べる活動をしていることを理解しました。それまでの私は、「臨床心理士は面接室でクライエントと向き合う仕事は得意だが、アウトリーチや他職種連携は苦手」といった誤った認識を持っていたように思います。