トラウマセラピー・ひきこもり相談専門オフィス connectでは、PTSDや複雑性PTSDなどのトラウマを抱える方へのトラウマケアカウンセリング、不登校・ひきこもり状態を専門としたカウンセリングを提供しています。
相談内容
〇 トラウマケア
ご本人やご家族の様々な困りごと、症状に対して、EMDRを中心にしたカウンセリングによってトラウマのケアを行います。トラウマケアの専門のトレーニングを積んだ臨床心理士が担当します。
〇 ひきこもり相談
不登校・ひきこもり支援に携わる臨床心理士が、ご家族やご本人の不登校・ひきこもりのカウンセリングを行います。
カウンセリングの他、長期ひきこもり事例の支援に特化した「長期ひきこもりの家族向け専門プログラム」をご家族に提供しております。長期ひきこもりの家族向け専門プログラムは、不登校・ひきこもり支援に必要な知識とコミュニケーションスキルを学ぶことによって、ご家族とご本人が円滑で肯定的な関係を築けるように目指します。
トラウマとケア
〇 トラウマとは
辛く苦しい体験によって生じた心の傷が癒されずに残ってしまう状態のことを「トラウマ(trauma)」といいます。
トラウマは事件事故、災害、ドメスティックバイオレンス、児童虐待、ハラスメント(モラルハラスメント、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなど)、いじめ被害といった出来事によって生じることもあれば、日常的な友人関係や家族関係での誤解やすれ違い、社会体験に伴う挫折体験や孤立体験によっても生じます。
トラウマになるかならないかは出来事そのものよりも、その人が置かれた状況の中でどのようにその出来事を体験するかによって変わるため、出来事に関わらずトラウマの辛さや症状が残る可能性があります。
〇 トラウマの影響と不登校・ひきこもり
トラウマが残ることによって、再体験症状、回避症状、過覚醒症状、自己組織化の困難、解離症状などがみられます。
❑再体験症状・・・トラウマ体験を今この瞬間に繰り返し感じる
(フラッシュバック、当時の考えや感情が巡るなど)
❑回避症状・・・トラウマ体験に関連する事柄や苦痛を避ける
(思い出すことを避ける、特定の場所や人を避けるなど)
❑過覚醒症状・・・過剰に覚醒した状態が続く
(眠れない、途中で目が覚める、苛立つ、過剰に驚く)
❑自己組織化の困難・・・感情制御困難、否定的自己概念、対人関係困難
❑解離症状・・・トラウマに対する身体の防衛反応
(ぼーっとする、身体や自分が自分でないような感覚、記憶が思い出せないなど)
その他、人に対する信頼感を失ったり、自分自身に価値を感じられなくなったり、先々に肯定的な見通しを持つことが難しくなることが往々にしてあります。そして、トラウマによって心のゆとりが消え、通常であれば対処可能な問題が起きても乗り越えることが困難になり、さらに傷つきを増す場合もあります。
トラウマの影響で他者への不信感や不安が強まることによって周囲との接触を避けたり、困難な状況や物事に対して対処できる感覚が弱まれば、不登校・ひきこもり状態を助長する可能性があります。
〇 トラウマからの回復
トラウマからの回復にあたって大切なのは、その人のリソース(resource:資源)です。ここでいうリソースとは、肯定的な記憶のことを指し、その人の持っている長所や頑張った経験、支えてくれる人や物の存在、好きなこと、大切にしていることなどが当たります。そのため、トラウマケアではリソースに気付くこと、触れること、増やすことがとても大切になります。
トラウマケアでは、適切なトラウマケアを行うことによって、トラウマがケアされ、上記の症状が改善されることを目指します。改善に伴い、その人が症状を抱えずに自分らしく生きることができるように支援します。
トラウマへの心理療法
トラウマへの心理療法は、トラウマとなっている記憶に対してアプローチするものです。記憶は認知(考え、信念)、感情、身体、行動、イメージと繋がっており、記憶は人に多くの影響を与えます。そのため、トラウマのケアが進めば様々な面で肯定的な変化がみられていきます。
〇 EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)
EMDRは、1989年にFrancine Shapiro博士が発表し、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)に対する効果が確認されている心理療法です。PTSD以外にも、様々な精神衛生問題に対して応用が広がっています。
EMDRでは、トラウマに対して一定の手続きに基づきながら両側性刺激という交互刺激を行うことにより、トラウマのケアを進めていきます。EMDRは、比較的苦痛が少なく、短い期間でトラウマのケアが進むことで注目されています。アメリカ心理学会や国際トラウマティックストレス学会でも推奨されている治療法であり、各国で用いられています。
〇 ブレインスポッティング(Brainspotting:BSP)
David Grand博士が創始したEMDRから発展した心理療法のひとつです。記憶と身体は繋がっており、BSPでは一定の手続きに沿って特定の位置に視線を置くことによりトラウマをケアしていきます。比較臨床試験では、BSPはEMDRと同等の効果があることが結論づけられています。
〇 ボディ・コネクト・セラピー(Body Connect Therapy:BCT)
BCTは、藤本昌樹博士が様々な心理療法を背景にして日本で創始した新しいトラウマケアの方法です。一定の手続きに沿って、主に眼球運動と身体にある経絡のツボをタッピングしていくことでトラウマのケアを進めます。素早く安全にトラウマのケアが進む特徴があるため、負担が少なく効果的にケアを行えます。
〇 思考場療法®(Thought Field Therapy®:TFT)
TFTは、Roger Callahan博士が創始した、鍼のつぼを自分でタッピングすることによって心理的問題を解消する心理療法です。辛い感情を感じる事柄に意識を向けながら、自分の身体にあるつぼを一定の手順でタッピングしていくことにより、様々な気分や症状を良くしていきます。一度覚えると自分一人で使うことができるので、セルフケアとしても活用できます。TFTは、米国政府のエビデンス登録機関(SAMHSA)に登録されており、様々な心理的ケア場面、被災者支援や紛争地域の心理的支援に用いられ、各国で取り組まれています。
その他の心理療法
〇 家族療法(Family Therapy)
症状や問題を抱える本人だけではなく、家族全体を捉えてアプローチすることによって問題を解消する心理療法です。家族の力を活かしてより良い方向へ進めるようにサポートしていきます。
〇 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)
主に認知、行動、感情、生理反応から症状や問題のメカニズムを把握し、認知行動療法の技法を用いて心理的問題を解消することを目指します。認知行動療法の技法には、認知再構成法(Cognitive Restructuring)、行動実験(Behavioral Experiments)、行動活性化療法(Behavioral Activation)、エクスポージャー療法(Exposure Therapy)、暴露反応妨害法(Exposure and Response Prevention:ERP)、持続エクスポージャー療法(Prolonged Exposure Therapy:PE)、リラクセーション法(Relaxation Technique)、ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training:SST)、コミュニティ強化と家族訓練(Community Reinforcement and Family Training:CRAFT)などがあり、問題や状態によって使用する技法を選択して行います。各精神疾患に対する治療法としてのエビデンスが豊富にある心理療法です。
※ビデオカウンセリングの利用の流れ
(1)「NPO法人メンタルコミュニケーションリサーチホームページの申し込み欄」又は「メール」又は「電話」にて申し込みをする。
(2) MCR事務局よりビデオカウンセリング日時調整の連絡が「メール」又は「電話」で届く。希望日をご返信頂く。
(3)「カウンセリングの予約日」と「開始時間」と「カウンセリング会議室番号」と「同意書」が事務局から「メール」又は「電話」で届く。
(4) Zoomをインストールし、アイコンをダウンロードしておく。テスト通話を家族・知人と行う。
(5) ビデオカウンセリングの予約日の開始時間丁度に「カウンセリング会議室番号」にアクセスする。
(6) ビデオカウンセリングの開始。
【ビデオカウンセリングのアプリについて】
ビデオカウンセリングには、「Zoom(ズーム)」というアプリ(ソフトウェア)を利用します。Zoomはアメリカで生まれたビデオ通話システムで、通話環境に安定性のあるアプリです。事前に設定が必要ですが、非常に簡単に設定できますので、ぜひご自身でお試しください。
* 接続方法の案内は、同意書と一緒にお送りします。
*「ZOOM(ズーム)」というアプリは費用がかからず使用できます。インターネットに接続するための料金などは、ご利用者の負担となります。 (協力:日本カウンセリングサービス)