設立にあたって-MCRについて-

私は児童相談所(現在も児童相談所のスーパーヴァイザー)や国立の病院でカウンセリング活動を行ってきました。その中で、もう少し柔軟性と機動力を持てば、不登校やひきこもりの援助で手の届くケースが増えると考えるようになりました。 

 私は不登校やひきこもりに対する新たな援助プログラムを構想し、その夢を数名の仲間に話しました。そして少数の仲間で一つのご家庭の援助から開始しました。これがメンタル・コミュニケーション・リサーチの始まりで、今から約9年前のことになります。 

 この頃はひきこもりに対する援助も少なく、しかもテレビで紹介されるようなものは私たち専門家から見て怪しげな団体が多かったことを思い出します。私たちは私たちの夢であった理想の援助プログラムを柔軟に作り上げ、それを実践するために1年間に約20のご家庭に対する援助しかできない状況にありますが、私たちの統計では全てのケース(年齢は小学生から45歳まで)において約1年で目に見える成果を出すことができています。 

私たちの援助プログラムは そのご家庭のニーズにあわせて柔軟に作り上げることが特徴です。 

 私たちの援助プログラムとは、訪問援助者、家族コンサルタント(臨床心理士等の有資格者を中心とした家族療法の専門家)、援助スタッフが3本の矢となり、一つのご家庭に援助していくというものです(全スタッフにより、全ケースの検討が毎月行われていきます)。 

 私は多くの教育委員会の学校教員への研修を毎年行っている立場にありますが、行政によって行われているメンタルフレンド事業ではこうした専門家同士の連携作業により、ケースへの対応を行っておらず、それではなかなか不登校・ひきこもりの援助はできないと考えています。 

 例えば、不登校・ひきこもり当事者が訪問援助者を拒否する場合にどのように対応するか、20年来のひきこもり当事者で訪問援助者を受け入れない方の場合に、家族からどのように変化をうながしていけるかなど、こうした課題をクリアーすることが困難なのです。 

 私たちはこうした難題に対して戦略的な課題を用いる工夫をしています。 
学習支援センターでは学習への動機付けの低いお子さんに訪問援助者が関わり、また、ご家族にはお子さんの動機付けを増幅するやり方をアドバイスするというものです。 

 長々と話してきましたが、お困りのときには無料電話相談をやっておりますので、勇気を出して、ご連絡くださいませ。 

2008年5月1日 

東北大学大学院教育学研究科准教授
日本家族心理学会常任理事
教育学博士, 家族心理士, 臨床心理士

NPO法人メンタル・コミュニケーション・リサーチ
前理事長   若島 孔文